凡庸に狂気(大物釣り師 幻の巨大イトウに挑んだ男:読書)

大河

SNS上でいくつか言葉を交わした後、この著書を紹介していただいた。

“大物釣り師 幻の巨大イトウに挑んだ男”

 

あくまでフィクションである、と断られたが。著者自信を骨として、見聞きした逸話(実話)を肉にした文章であろう。
そのためなのか、わざとなのか。物語、小説として感情を揺さぶるアップダウンが少なく、平坦な文章がその河のごとく切々、淡々と流れていると感じた。

凡庸、だからこそ狂気、いわゆる”釣きちがい”になる様、見えない運命の何事かに導かれて、それと気づかず自ら深淵を覗かずにいられぬ衝動と葛藤が浮かび上がっているように受け止められてならない。

 

読んで、共感できるあなたは、既に深淵の傍に立っているか、覗いてる人であろう。

読んで、共感できないが理解できるあなたは、没頭の恐怖と歓喜を知る人であろう。

読んで、何事か分からぬあなたは、数年後に再読してみるといいだろう。

 

このサイトでは釣り人しか見ないことと思いますが、釣りをしないあなたにも理解できるように文中の説明も丁寧に紡がれています。

誰にでもあり、後からしか気付く事のできない人生を犯されるような、逆らえぬ渦。それぞれに種類が違うだけだと思うのです。

 

ただ面白い小説を望まれるなら他を。

その先の景色を望んでやまぬ”近くの誰か”が送る人生の一部を目撃したい方は、一読を。

 

藤井政幸

藤井政幸TailSwing運営代表

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