シガーカッター

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葉巻 プレゼント

「松本さん、これどうぞ!」
「ん?なにコレ?」
「葉巻ですよ。すごいの釣って、コレ吸ってビシっとキメてくださいよ。」
「あぁ、うん。。。ありがとう。」

ちょっと面食らって答えた。
よく覚えてないが、おそらく今年の6月くらいの出来事だったと思う。

確かに自分はスモーカーだが、普段はアメリカンスピリット以外は吸わない。もちろん日常的に葉巻なんて吸える身分でもないし、ガラでもないのだが、この友人が時折見せる心配りにはいつも感心させられる。

山女魚 渓流 スプーン

とうとう今年の渓流シーズンも終わってしまった。

スケジュールの許す範囲で精一杯東奔西走したと思う。
ダム湖や本流の大ヤマメ。源流のイワナ。渓流の美しいヤマメ。
欲張って色んな魚を目指し過ぎたせいか、自分の腕不足か、イワナ以外は「コレ!」という魚には出会えなかったが、良い思い出と来季への経験値をたくさんもらえた。

そんな中でも、自分の中でチャレンジだったグラスロッドと極細PEラインで、スプーニングオンリーの渓流釣りは、気付きがたくさんあった。

アーマードF 渓流

自分が子どもの頃と比べて明らかに急激な進歩を遂げた釣り道具は「ライン」だと思う。もちろんロッドだって、リールだって、ルアーだって、フックだって一昔前と比べたらとんでもなく進歩してはいるのだけど、PEラインはやはり、その感度、飛距離、細さにおいて革命的だったのではないか。

他の釣りで考えると、エギングのエギの重さは標準的な3.5号で約20g。
今のタックルだとおそらく、PEの0.6号前後くらいでフルキャストして、ボトムをとり、ドラグをゆるめていないとリールのシャフトが曲がるくらい激しくシャクる。ロッドはシャキシャキのファーストテーパーだ。
0.6号という太さのナイロンやフロロでは絶対に出来ない釣りが今は普通に出来る。

渓流ルアーは大体5gが標準。しかも自分はスプーニングしかやらないつもりだった。それほど激しいアクションを加えることはない。きちんとノットを組むことができれば、0.1号でも問題ないと思った。

リーダーは当初フロロの0.8号を使用してみたが、これはさすがに細すぎた。
キャスト~ファイト自体は問題なかったが、移動時の藪こぎなんかで簡単に切れてしまう。なので、今のところは1~1.25号に落ち着いている。

パラゴンGシリーズ ライトライン スプーン

ロッドは5.11フィートのグラスロッド。何よりもゆったりとした渓流ルアーを追究してみたかった。ある種フライフィッシャーに対する憧れのようなものもあったかもしれない。ふわり、とキャストし、ゆっくり巻いて、小さい魚でも充分にファイトを堪能できるようなロッド。

スプーンを使った脈釣りのようなイメージだ。釣趣を大事に、1尾1尾と戯れる釣りがしたかった。

ひねくれ者なので、正直今主流のショートレングスのロッドでピュンピュンミノーをキャストしてスピーディーに釣る釣りへのアンチテーゼも多分にある。

もちろん、テクニカルな理由だってある。極細PEの高切れを防ぐショックアブソーバー的な意味。ロッドの長さを利用したリトリーブ中のトレースコースの微調整などがそうだ。

ミッチェル パラゴンGシリーズ

リールはオールドのミッチェル308。国産ハイギアリールの方が勝手がいいのは充分過ぎるほど分かってはいるのだけれど、ここはやせ我慢。パラゴンに合わせたときに一番映えるのがこれだった。自分が美しいと思える道具で美しい魚を釣るのだ。

渓流 スプーン チョイス

スプーンは2.5~5g。ミノーイングみたいに一つのルアーで1日通すことは難しいと思う。
しかし、逆にこれが楽しい。フライフィッシャーはそのとき捕食している虫に合わせてマッチザハッチなんてやってて、格好いいなあ、と思ってしまうが、自分もいつかあれをスプーンでやってみたい。今のところはマッチザポイントどまりなのだが。

渓流 パラゴンGシリーズ

ねらい通りではあったのだけど、このタックルでやると自然とゆったりとしたリズムの釣りになる。極細のPEからは実にさまざまな情報が伝わってくる。ロッドはルアーを操作するよりもその情報を受信するアンテナだ。ルアーは流れを切るのではなく、溶け込むように、漂うように、泳ぐ。

そして場所によっては一瞬考えて、ワレットの中を眺める。こまめなラインチェックも怠ることができない。それらがあわさってうれしい結果が出たときは、なおさら喜びも倍増する。

渓流 山女魚 スプーン

唯一、といっても結構大きなことなのだが、結局今季は渓流で尺ヤマメを釣ることが出来なかった。ここまで釣趣がどうたら言っておきながら何なのだが、シーズン終了間際には数回ムキになって追い求めたが、とうとうかなわなかった。
数はミノー並みに出ることは分かった。次はどう選んで釣るか、ということも試行錯誤してゆこうと思う。

渓流 カワトンボ

6月にもらった葉巻は、まだ自分の手元でビニールに包まれたままだ。ヤマメの季節で吸えなかったら、今度は自分のライフワークであるレインボーのシーズンがある。
去年届かなかった60オーバーが釣れたら吸おうかな、などと考えていた。

zippo トラウト

しかし。
9月中盤、その友人と2人での今季最終釣行に行ったときのこと。

「松本さん!」
「ん?」
「プレゼントです!」
「え!? あぁ、うん。。。ありがとう。」

またも唐突な贈り物。
嬉しいサプライズだったが、そのジッポーにプリントされていたのは”Masu Salmon”とあり、その上にヤマメの姿があった。

葉巻 zippo トラウト

彼の後ろにいるであろう神様の啓示なのか、はたまた悪戯なのか。

どうやら、この葉巻の封を切って、両端をちょんぎるシガーカッターになる魚はレインボーじゃなくて大きくてかっこいいヤマメでないといけないようだ。

しょうがない。来年の春までしばらく、あの深山の流れを思いながら、この葉巻はアムコの中で熟成させることにしようと思う。

 

 

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松本 宏人

松本 宏人

投稿者プロフィール

生まれ:1970年
メインターゲット:トラウト
メインフィールド:湖
-メッセージ-
幼少の頃から様々なルアーフィッシングに親しむ。
物をなくすのは、単にだらしないだけではないかとの噂も。
宮崎市在住。

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