儚魚釣具考(その二)

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その一はこちら
木 木漏れ日ロッドがなぜ6フィートなのか。
釣り方で言えばその理由は「トレースコース」と「細糸」の2つだと考えている。

スプーンでの渓流釣りはミノーのそれよりも「ドリフト」という要素が強くなる。ほとんどのスプーンはミノーのように瞬間的に強く引いたり、ロッドアクションを加えたりすると動きが破綻してしまい、全くと言っていいほど釣れなくなる。

ドリフトをさせながらもそのスプーンの適正な動きが出せる速度でリトリーブを行い、たまにアクセントを入れつつ、スイミングレンジの調整も同時に行う。

そして、その際、トレースするコースを上下左右に修正するには長いロッドの方が有利だ。

また、少しでも水流抵抗をなくし、魚とイーブンなファイトをするためにはなるべく細いラインを使う必要があり、その際、長めのロッドは高切れなどに対するショックアブソーバー的な役割を担ってくれる。

山女魚 スプーン

何より、繊細にこのゲームを楽しみたかった。

音楽に例えるなら、自分にとってシンキングミノーでのヤマメ釣りはテクノみたいなものだ。実際、若い頃はその手の音楽も好きだったし、今でもたまに聴く。速く、乱れることのないテンポのバスドラムに、ある種独特な昂揚感に煽られるようなループ。

深いポイントは別として、基本的にミノーに激しいリズムを加え、渓魚の捕食スイッチを入れ、バイトに持ち込む。
そのためには短くて硬めのロッドの方が使いやすい。頭上に枝などがあって、キャスティングスペースが限られていることが多いという点でも確かに渓流では短い方が有利だ。

反対に渓流でのスプーニングは小編成のコンボジャズみたいなものだと思う。
常に変化する周りの演奏に呼応し、ちょっとだけ弾き方を変化させ、同じ曲でも毎回違うものを聴かせる。

アップストリームの場合、速い表層の流れの1枚、2枚下をステディリトリーブしながら適正なアクションをさせるには、ロッドの角度やリーリングのスピードを少しずつ変化させねばならない。自分は、そのポイントの流れよりも少しだけ速く、がコツだと思う。

アングロアンドカンパニー

Anglo & companyには、秋口から自分が思い描く渓流ロッドのイメージはメールで伝えていたが、なかなか思うようにはいかず、そのときの結論は「ビスポーク」、つまりブランクから製作する特注品、ということだった。

それからしばらくして、その話しを聞いたのは確か昨年のシーズンオフ11月くらいだったと思う。

「面白い素材が見つかったんですよ。グラスなんですけど、縦方向の繊維で、UDグラスっていうんですが。」
「へえ!!いいですねえ。長さはどれくらいなんですか?」
「今のところ、4.11フィートです。」
「6フィートくらいのは?」
「今のところは。。」

アングロアンドカンパニー 店内

そして年の瀬、12月。東京出張の際、直接世田谷を訪ねて、プロトの段階のブランクを見せてもらった。まだガイドも付いていない飴色の半透明のそれはなんとも美しく、店内の間接照明を透過させながら輝いていたのを覚えている。

そして、そのとき初めて聞いた。
「5.11フィートも作ることにしましたよ。」

アングロアンドカンパニー

即決だった。
運命的な出会いだった。渓流・源流はこのロッドでいこうと思った。
そして、納品の前、一つだけわがままを聞いてもらった。

「もし自分が5.11の最初のオーダーなら、シリアル番号の末尾に”①”と入れてください。」と。

パラゴンGシリーズ

このロッドは不思議だ。まだ2ヶ月程度しか使っていないが、何というか、変幻自在だ。キャスト等で、弱い力を加えると柔らかくリアクションし、「ぬらり」と滑らかにラインを放出するが、思い切りキャストしたり、グッドサイズがヒットしたりすると、急にギュっと引き締まったように硬くなる感覚がある。一昔前のグラスロッドとは全く別物だ。1g~7gというスペックも自分のイメージにピッタリだった。

バンブーロッドは、実釣で使ったことはないが、きっとこれに一番近いのだろう。

昔エリアで使っていたフェンウィックのグラスロッドにも似た一見クラシカルなルックスに未体験のアクション。正直言って今は、このロッドを振りたいがために釣りに行ってるようなものだ。

ミッチェル

リールは最初からミッチェルと決めていた。しかもハイギアの408ではなく、ローギアの308が良かった。今愛用しているのはフットナンバーからすると自分よりも年上。メカ音痴だが、全部ばらしてメンテナンスもした。
これが結構楽しくてハマってしまう。
ミノーイング=カーディナル。というイメージに対するものでもあったが、この美しいフォルムがやはりたまらない。

独特の「ブルンブルン」という振動等、機能的には現代のリールに敵うわけはないが、渓流のリールはこれくらいのスペックがちょうどいいと思う。

パラゴンGシリーズ ミッチェル

ラインはトラウト用PEラインを使用している。デュエルのアーマードSトラウトの0.1と0.3号をそれぞれ場所によって使い分けている。リーダーもデュエルのフロロ0.8号。
なるべく細いPEで勝負したいと思って0.1号を使ってみたが、実釣には全く問題なかった。感度も素晴らしいし、グラスロッドとの相性もバッチリだ。

しかし、藪こぎ等、移動の際に枝などにひっかかって傷がついてしまうことがあり、開けた場所以外は0.3号を使用している。
知らなかったが、デュエルはアーマードFトラウトという商品も出したらしい。高価格だが、スペック上は強度的に1ランク細いラインが使えるとのこと。

ラインとフックはいいものを使うのが信条なので、是非購入して今度こそ0.1号だけでやってみたいと思っている。

ミッチェル スプーン

ルアーはスプーンのみ。手前から、サトウオリジナル、アンサー。アートフィッシング、DCバイト。Anglo & company、HOBOスプーン。これ以外にハスルアーも多用している。重さは2.5g~5gをポイントによって使い分ける。

写真はループフックのみだけど、最近はロングシャンクのフックと使い分けをしている。小場所でフリップやシェイキングなどを行うときはループで。瀬などで巻いて釣る釣りのときはロングシャンクを使う。いずれもシングルフックだ。

山女魚 パラゴンGシリーズ

このタックルで今季は渓流・源流釣りをしているのだが、意外なことに慣れてくると、ものすごく釣れる。釣れてしまう。数だけなら、ミノーのときよりもずっと多く釣れていると思う。

確かに、その年その日その場所のフィールドコンディションに大きく左右されるから一概に断定はできないのだが、ミノーを併用している友人たちと同行してもこっちの方が釣れている回数は多い。

山女魚 水中

もしかしたら単純に小物釣り師になってしまっているのかもしれないが、たまにいい魚にも出会えているから悩ましい。まだまだ楽しい試行錯誤を重ねてゆこうと思う。

蜉蝣 渓流

この時期、九州は梅雨のクライマックスを迎えている。
もう少ししてフィールドコンディションが良くなったら、残り数ヶ月、もっともっとこの釣りを突き詰めていきたい。

 

山女魚 パラゴンGシリーズ

 

 

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松本 宏人

松本 宏人

投稿者プロフィール

生まれ:1970年
メインターゲット:トラウト
メインフィールド:湖
-メッセージ-
幼少の頃から様々なルアーフィッシングに親しむ。
物をなくすのは、単にだらしないだけではないかとの噂も。
宮崎市在住。

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