朝霞ガーデン

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新宿プリンス ゴジラ
20代半ばから数えて、ほぼ20年ぶりに訪れた。

学生時代から数えてちょうど10年、ここの比較的近くに住んでいた。

 

あの時期、青春と言えば聞こえはいいのかもしれないが、その実態ははまるでちぎれた高圧電線が地面を跳ね回るように、行き場のないエネルギーがのたうちながら出口を見つけられずにいたように思う。

 

前日の夜、ホテルから見えるゴジラの人形に自分の若い頃が重なる。

押さえきれない、ある種凶暴なまでの、無闇な衝動。

えてしてそんなものは大した形にはならない。結局自分もそうだった。

 

朝霞ガーデン ポイントカード

 

北朝霞駅に着いて今は東京で仕事をしている藤井くんとタクシーに乗り、深い灰色の空の下、JRの線路沿いを眺めながら記憶をたぐる。

 

その景色はあの頃と全く変わっていないように見えた。一つ一つの交差点や、家並みがまるで先月来たかのように、あまりに鮮明なデジャヴとなって訪れる。

 

レストハウスに入って、チケットを買うと、そこにも全然変わらない味わい深いトラウトのイラストがあった。

 

朝霞ガーデン 看板

 

朝霞ガーデン。

 

国内有数の老舗エリアと言っていいのだろう。宮崎に帰ってきてから、エリアトラウトは一切やっていないから最近のことは全く分からないが、専門チャンネルでときどきその名前を見る。トーナメントなどもしばしば行われているようだ。

 

朝霞ガーデン 窓口

 

自分にとってここは、あの時期に心からの笑いをくれた数少ない場所。それこそ何度通ったか分からない。

 

真冬の雪が降りしきる中、ガイドの氷を手で溶かしながら銀色のマラブーがついたコータックのスプーンを無心でキャストした記憶が蘇る。

 

カウンター越しにふと店主の奥さんの顔を見付け、夢中で話しかける。

 

「覚えてますか?」

 

「はあ。。。」

 

昔もこんな感じで朴訥(ぼくとつ)とした方だった。思い出してもらえなくても全く気にならない。お元気そうな様子にそれだけで嬉しくなる。

 

朝霞ガーデン 水色

 

ここは都心にほど近い場所でありながら、湧き水を使っていることからクリアな水質でゲームが楽しめる。最初に行き始めたときは今の1号池しかなかったが、今は4つの池があり、それぞれ違った雰囲気が味わえるようになっていた。

 

朝霞ガーデン 岩魚

 

魚種も豊富で、ニジマスはもちろんのこと、ヤマメ、イワナ、ブラウン。確かイトウやヤシオマスもいたと思う。

 

何度も何度も通う内に、それぞれの魚種の行動を比較することで何となくそれぞれの特徴を覚えることが出来た。

 

朝霞ガーデン 虹鱒 スプーン

 

そして何より、コンディションのいい魚が多いことが嬉しい。

 

ヒレや体色も美しく、釣ったときにネイティブとそれほど遜色がないものも多い。

 

朝霞ガーデン アングラー

 

釣り始めてからしばらくはノーヒットが続いた。藤井くんに「激戦区だからね。。」などと言いながら手を変え品を変え、キャストを繰り返す。

 

ふと周りのアングラーの様子に驚かされた。狭いエリアでお互いキャストしているのだが、近くの人のルアーがどこに落ちたのか分からない。よくよく観察しないと、リトリーブのラインの軌跡も見えない。

 

後でサイトを見てみると、普通に「0.3g~0.8gのスプーン・・・。」と書かれている。自分が通っていた頃は1.5gがスタンダードで、ときには3gも使っていたと思う。一体ラインは何ポンドだったのだろうか。

 

朝霞ガーデン ファイト

 

それでも、藤井くんが持ってきたDAIWA社のPRESSO ADAMを借りてデッドスローで引いてくるとポツリポツリとニジマスが遊んでくれるようになった。

 

数匹釣った後、「ガツン」というバイトとともに自分の左の方から足元にダッシュしてきたのは、美しい40オーバーのブラウン。ヒレも鼻も完璧で、被写体になって欲しい1匹だったが、「フッ」と軽くなった直後、ものすごい勢いで右手に走られ、次の瞬間不覚にもラインブレイクさせられた。

 

昔からこんなことがあるから、ここはやめられなかった。

 

朝霞ガーデン 虹鱒

 

残り30分くらいだっただろうか、池の真ん中で鈍い魚信と同時にカーディナルのドラグをかなりの長い時間鳴り響かせてくれたのは50近いニジマスだった。

 

このサイズをネイティブフィールドで得ようと思っても、通い詰めて年に数回もチャンスはない。仮想ネイティブとしてうってつけの練習にもなる。

 

朝霞ガーデン ランディング

 

あの日の自分が立っていた場所から、ふと昔を思いやる。

 

若い日々の記憶はいつまでも鮮明で、近頃はむやみに1年が早く過ぎていくようになった。

 

不思議だが、あの頃のエネルギーが少し自分に戻ってきた気がしている。

 

風も太陽も、そして水も大いなる存在かもしれないが、それでも自分のことは自分で決めて、笑いながら進む。

 

そんな訳の分からない不思議な感覚。

 

朝霞ガーデン バッセル

 

あの頃、たまらなく美しくて、なけなしのお金で買いあさったバッセルがまだ同じようにカウンターに陳列してあった。

 

美しい道具で、美しい魚を釣る。

 

それがどんなに幸せなことか、ここはそれを確かに教えてくれた。

 

カージナル スプーン

 

帰るまで青空を見せなかった東京の空にタックルを並べ、またいつかの日を想いながら、そんな感慨にふけった。

 

 

朝霞ガーデン:http://www.a-garden.com/

スタッフブログ:http://asakagarden.blog72.fc2.com/

 

 

 

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松本 宏人

松本 宏人

投稿者プロフィール

生まれ:1970年
メインターゲット:トラウト
メインフィールド:湖
-メッセージ-
幼少の頃から様々なルアーフィッシングに親しむ。
物をなくすのは、単にだらしないだけではないかとの噂も。
宮崎市在住。

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