止水のスライドスプーニング

 

今週も水面に浮いている。

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トラウトの聖地と称される、栃木県・中禅寺湖。私はこの時期、日本でこの湖にしか生息していないレイクトラウトをメインターゲットに、釣行を重ねている。

レイクトラウトは北米原産の、イワナ科(char)の魚だ。日本のイワナと同じように、障害物やボトムなど”寄り添える場所”を好む。魚食性で歯が鋭く、リアクションで口を使う習性がある。

日本のイワナと違う点も、もちろんある。

1つは、何といってもサイズだ。レイクトラウトはメーターを超える。岸からのキャスティングでも、70cm、80cmは毎年上がる。これほどまでに大きくなるトラウトは、イトウを除けばレイクトラウトくらいしかいない。

そしてもう1つは、特殊な生息域だ。トラウトの中では最も冷水を好む魚で、水温は4度~10度ほどまでが適水温帯だ。そのため生息域も、季節によって岸際から水深30mほどまでと、とにかく幅広い。

今回のゲームは、ゴールデンウィーク明けの5月上旬。

表水温は4度~6度。彼らの適水温帯なのでどのレンジにも可能性はあるが、ベイトとのリンクを考えると、狙いはミドルからディープのボトム付近となる。使用するルアーはもちろんスプーンで、ウェイトは18gから19gをメインに使用する。

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私は今シーズン、ロデオクラフトのM.T.Lakesや、シーレーベルのProviaといった、スライド系スプーンを多用している。

スライド系のスプーンはリトリーブを止めた際、リトリーブ方向に対して左右どちらか90度方向に、自転しながらゆっくりと落ちて(スライドして)いく。一方向へのリトリーブという動きの法則性を崩し、魚にスイッチを入れてバイトさせるのだ。

アングラーの操作次第で、スライドを入れるタイミングや、スライドの時間を創造していく。スプーンでありながら、ミノーと同じように食わせの間を入れていく釣りと考えれば合点がいくかもしれない。

東の空から朝日が差す。

水深15mのボートポジション。ここからさらに深くなっていくブレイクの肩めがけ、キャスト。ボトム着底後にロッドを煽り、スプーンを軽く浮かせる。2回巻いて2秒ストップ(スライド)、2回巻いて2秒ストップ(スライド)、5回巻いて着底までストップ(ロングスライド)。着底後にまたロッドを軽く煽り、スプーンを少し浮かせてスライドを入れた瞬間、バイト。

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51cmとレイクトラウトとしては小さい方だが、ベイトのレンジとリンクしていたのか、コンディションは最高だ。

同様のメソッドで攻めていると、今度は5回巻いてから着底までのロングスライド中にバイト。

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62cmのまあまあサイズ。ウエダのサクラマス用ロッドを、バットまで引き込む。

ハイシーズンを感じさせる、パワフルな個体だ。

昼近くになり、水温も上昇。場所を大きくシャローに移してみる。水深4mのボートポジションから、等深線に沿ってキャスト。沈下速度が速いヘビーウェイトスプーンの特長を活かし、スピーディーな巻きからショートスライドを織り交ぜていく。
最後に食わせのロングスライドを入れると、バイト。

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47cmとサイズは小さめながら、シャローでもレイクトラウトを引き出すことができた。

時折ストップを入れるミノーのような攻め方でありながら、ミノーには出せない横移動が入る。狙い通りリアクションバイトさせた形だ。結局この日は、同行者と2人で計7本のレイクトラウトをキャッチした。

こちらから仕掛けて獲っていく攻撃的なスプーニングは、これからもずっと、止められそうにない。

 

タックルなど詳細は、著者Webサイトへ。

ルアーフィッシングマニア「中禅寺湖 2014年第5戦目

NARI

NARI

投稿者プロフィール

生まれ:1980年代
メインターゲット:トラウト(湖、管理釣り場)
メインフィールド:中禅寺湖(栃木県)
Webサイトルアーフィッシングマニア
-メッセージ-
1本を獲るためのプロセス、そして1日を通しての組み立てを大事にしています。次に繋がり、経験として蓄積できる釣りを。

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