100年物語(1/2)

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エッピンガー ダーデブル

 

”Tempting fish for over 100years(100年以上魚たちを誘惑し続けている)”

 

最近のダーデブルステッカーに刻まれているフレーズ。

調べると1906年にエッピンガー社が設立され、1912年にはダーデブルの前身の「オスプレイ」というスプーンを販売し始めたという。

 

ともあれ、さまざまなマイナーチェンジはあっても100年以上、あるプロダクトが基本的な形と名前を変えないで世界中に流通しているというのは本当にすごいことだ。

 

少々大げさだが、自分は何であれ「続く」ということが人類史の中で最も普遍的な価値の一つなんだと思っている。釣られてきたのは魚だけではない。そのデザイン・実力に世界中のアングラーが誘惑され続けてきたからこその100年だ。

 

一世紀前の先輩たちもこのスプーンをキャストしていたのだ。

 

そして今も昔も、釣り師は魚を釣っているようで、それよりもっともっと多い割合で魚、タックル、そして自然に「釣られて」いる。

 

なぜなら、そこにあるえもいわれぬ幸福感に、気づいているから。

 

TailSwing イベント

 

11月14日(土)、数多くの企業様のあたたかいご支援をいただき、TailSwing SpoonSummit vol.1“Only Dardevle”が開催された。

 

あえての御池。あえてのダーデブル。釣れなくてもおっとりと笑って過ごす。
そんな大会を目指した。

 

御池

 

そして案の定、御池はいつもの御池だった。参加者全員がかなりの苦戦を強いられた。

 

しかし、そんな中でも、自分はドラマが3つ見られたことで心底満足している。

 

アングラー 車内

 

一つ目。

 

7時の開会前、来るはずの参加者を待つともなしに待ち、会話を弾ませているとき、その人は唐突に現れた。参加メンバーではないランカー。

 

前回のコラム”Let the tail swingi’n!”で10年振りに会話を交わしたあの人。とある魚屋さん。

 

デカいタイヤのデカい車でゆっくり現れ、これまたデカい声とデカい態度で、

「おぉ!!アレはどこにおるかなぁ!?」

と。

 

アレ呼ばわりされたのは自分。

前に、「確約はできないけど、こっそりと行くかもしれません。」とは聞いていたが朝イチからの来訪。

 

正直、たまらなく嬉しかった。

 

はじめは2日酔いがどうたら言って車の中でゆっくりされていたが、皆がそれぞれポイントに散るとゆっくりと車から降りて、事務局にいる藤井くんと自分にマシンガンのようなトークを浴びせる。

 

しかし、その言葉の群れの裏側には常に繊細な心配りがある。

だから、自分たちは決して不快にはならなかった。

 

御池 アングラー

 

ここで自分がやらかした。痛恨だった。

 

センパイにいいとこ見せようとしていたのか。

はやる気持ちを押さえつけながらタックルを準備する。

 

7フィートのパラゴンにブラディア2500。ナイロンリーダーの先には赤白のダーデブル、スピニー7gのコパーバック。そして、大きめのシングルフック。

 

自分の中では最高にキマッている道具立て。

 

わざと見えるようなポイントでフルキャスト。実績のあるポイントだ。もしかしたらがあるかもしれない。

 

背中には相変わらず藤井くんにたたみかけるダミ声マシンガンが響いてくる。

そして、「ガツン!!」というバイト。

 

「きたぁ!!」

 

本当だった。出来過ぎだった。有頂天になり、わざわざ後ろを振り向き、大声で伝えた。

 

魚屋さんと藤井くんがそれぞれデジカメを手に取って、足をもつれさせながら必死にこちらに駆け寄ってくる。

魚屋さんは、「絶対釣れない!」と公言していた。ざまあみろだ。見たことか。

 

次の瞬間、ラインがふいにテンションを失う。

そしてまた次の瞬間、30mくらい沖であまりに美しいレインボーが水面からUの字に身体をくねらせ、ジャンプした。

 

はっきりと見えた。グリーンともブロンズともつかない背中。

体側に流れる鮮やかなレッドバンド。

大きさは30㎝後半だが、この魚は欲しい。ふと緊張感と興奮が自分を襲う。

 

しかし、失われたラインテンションはもう元には戻らなかった。

 

思わず膝をつき、絶叫した。

 

御池 アングラー

 

この後、トラウトはフライで、しかも年間ほんの数日、北海道でだけしかやらないはずの魚屋さんは、自分が藤井くん用に持ってきた6フィートのパラゴンを手に取り、数時間ダーデブルを投げ続けた。

 

全く極私的だが、自分のこの日は、この光景だけで満足だった。

 

なぜなら、自分が知る限り、この人は、御池のレインボーに対して誰よりも深い愛情と造詣を持っているから。

 

御池 カレー

 

二つ目。

 

この人はいつもこうだ。

献身的に人をもてなし、楽しませることにかけては天才的と言ってもいいだろう。

 

当日AM2:06。写真付きのメールが入っていた。

「特製カレーを焦がしましたぁ。。。」

 

自分が起きたのがAM4:00。6時に集合だった。一体何時まで料理をしていたのだろうか。

 

アウトドア クッキング

 

午前中に嬉しいニュースが一つあり、釣りと話しで少し遅くなった昼食。

 

聞けばスージーさんはほぼ徹夜とのこと。7名分のカレーライスとコーヒーをを一手に引き受けてくれた。

 

コールマン アウトドア クッキング

 

米は自分の田んぼで作った新米。

 

こんなにも美味い米があるのか、と驚かされる。

 

カレー アウトドア

 

でっかいずんどう鍋にはフォンドボーから全て自分で作ったカレーが。

 

なんでも、知り合いのシェフから、色々と教えてもらっているらしく、香り付けにセロリなんかも使っていた。

 

アウトドア カレー

 

みんなで同じ飯を食う。

しかもそれが絶品の一皿となれば、自然と初対面の人との距離も縮まる。

 

雨がうっすらと色づいた紅葉をしっとりと濡らす中、メンバーは、談笑しながらまるで中高生の合宿のようにおかわりをし、用意したカレーはあっという間になくなってしまった。

 

自家焙煎 コーヒー アウトドア

 

そして食後には丹念に挽かれたコーヒー。

 

皆、なかなか釣りに戻ろうとはしなかった。

 

御池 ダーデブル ブラックバス

 

当初のストップフィッシングはPM3:00の予定だったが、メンバー全員の合議で1時間延長し、PM4:00とした。

 

協賛会社の㈱みやざきフーズ様(リンク)からの2kgの高級黒豚肉はこの延長時間に釣ったアングラーに特別賞として、ということになった。

 

PM4:00ちょうど、中平くんから皆にメール。

「スージーさん、ゲットしました!」

 

まあ、大体この手のイタズラには慣れている。

今年の解禁日には目が覚めるようなサクラの画像にすっかりだまされた。

 

ところが、閉会式のとき、おもむろに出したスージーさんの携帯には確かに赤白ダーデブルとバスの姿。この大会、魚種は問わない。

 

御池 ブラックバス スプーン

 

時間を見ると15:09。バサーも散々叩いた後のタフコンディションの中、見事な1匹。

 

エッピンガー ダーデブル

 

人を胃袋から幸せにした男に、肉がもたらされるというのも、なかなか良くできた話しではないか。

 

霧島の神様も粋なことをするなあ、と思った。

(※賞品の肉は後日発送するため、ダーデブルステッカーを肉に見立てています。)

 

大して魚は釣れなかったが、ドラマが多かった1日。後半はまた後日。

 

 

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松本 宏人

松本 宏人

投稿者プロフィール

生まれ:1970年
メインターゲット:トラウト
メインフィールド:湖
-メッセージ-
幼少の頃から様々なルアーフィッシングに親しむ。
物をなくすのは、単にだらしないだけではないかとの噂も。
宮崎市在住。

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