Anglo & company

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アングロ ロゴ

 

大体、そのロゴのデザインを一目見たときから、すっかり気に入ってしまっていた。ハニカムに”A”の文字。黒と白だけのシンプルなカラーリング。田舎者だからかもしれないが、”CUSTUM DESIGN SETAGAYA TOKYO”にもやられた。

 

だいぶ塗装が剥げてきた煙草ケースの裏にショップのステッカーを貼って、肌身離さず持ち歩くくらい好きだ。

 

そのステッカーもはがれそうになったから、上から何回か塗ったラッカーがデコボコになっちゃったりしたけど、そこもまた、味だなあ、としみじみ気に入っている。

 

アングロ のぼり

 

Anglo & company。世田谷にある工房兼店舗といったたたずまいのプロショップ。
東京出張の折、訪ねた。もう、随分前から行くことが楽しみで仕方なかった。

 

アングロのプロダクトは洒落てて格好いい。言葉を変えると、「過不足なく」格好いい。華美に走らず、その内側に全てを込めて、さりげなくたたずむ。中庸の美学とでも言えばいいだろうか。

 

芯までギュッと練り上げられた素材にほんの少しのトッピングを施す。

まるで、うまい冷酒で一流店のざる蕎麦を食べているようだ。

 

単なる漁具ではない、本物の嗜好品。

これだけモノと情報があふれる時代で、ここまでダンディズムを確立しているメーカーを自分は他にあまり知らない。

 

スプーン アングロ

 

自分にとっていいルアーとそうでないルアーの判断基準の内、最近一番大事なことは、(もちろん実釣性能は当たり前だが)魚からぶらさがっているときに美しいかどうか、だ。

 

スプーン

 

いくらトラウトが美しくて、かっこよくても、水中から浮かび上がってきたときの口元にソフトルアーがビロンビロンしてたら間違いなく、すっかり興ざめするだろう。

 

だから、特に大きいトラウトを狙うときは、いくら釣れると言われているルアーが他にあっても、気に入ったものしか使わない。より多く釣れるルアーより、例え一匹でも、釣って満足できるルアーがいい。

 

HOBOスプーン

 

アングロのHOBOスプーンからは、自分がまだ幼く、国産ルアーがほとんどなかった「あの頃」のにおいがプンプンする。今ほどゲームフィッシングがシステマティックに細分化されてなくて、大の大人の男たちが試行錯誤のど真ん中で、そのむんむんとした熱情だけは雑誌を通して伝わってきていたあの時代。

 

あの頃のルアーには愛嬌があった。遊び心があった。それでいて品もあった。それを使っている大人にあこがれた。たとえ釣れても、釣れなくても、それこそが大人らしい、男らしい余裕だと勝手に妄想していた。

 

このサイトの最初のコラムで書いたレインボーを釣らせてくれたのはHOBOスプーンのFLRカラーだった。これもきっと何かのめぐり合わせ。

 

ウッドベイト

 

ウッドベイト ミノー

 

ミノー群も秀逸。言わずもがなの遠藤龍美氏のウッドベイトとアングロのコラボ。

 

オリジナルのウッドベイトと比べると、手頃な価格になっているところも良心的だと思う。

生っぽさだけではなく、艶っぽさまで漂わせてて、うっとりとさせられる。

 

アングロ ロッド

 

そして、なによりロッド。自分はついこの間、パラゴンの7フィートを手に入れた。この日、店主の菅沼さんと話すと、「トップの24tカーボンが特徴なんですよ。柔らかくて最近はあまり使われないですけどね。」と。

 

パラゴンは3ピースロッドだ。アングロのサイトには

「ティップセクション/24tカーボン、ミドルセクション/30tカーボン、バットセクション/40tカーボン+BORONの組み合わせがスムーズなベンディングカーブ、キャスト時の抜けの良さを実現しています。」とある。

 

先端から、柔らかい → やや硬い → パワフルで硬いといった組み合わせだろう。

まだ、満足いく魚とは出会えてないが、キャストして、ファイトして、すっかり惚れ込んでいる。

 

アングロ パラゴン セルテート

 

車に例えると、今まで排気量の小さい大衆車に乗っていたのが、ごついエンジンを搭載したラグジュアリーな高級セダンに乗ってうっとりしている感覚。ここでいうエンジンとは、もちろんブランクスだ。

 

車でいう内装部分にあたるスレッドや、リールシートのウッド、リールシートなどのメタルパーツは、オーナーの好みに合わせてくれる。どれも、一級品。

 

バットまで曲げたときのキャストフィールは、ちょっと例えようがない。「シューッ」とではない。「ヌメヌメッ」とルアーが飛んでいく。湖面に向かってフルキャストしたときの快感は、それだけである種の満足感が得られるくらいだ。

 

ファイトしたときは魚の走りのレベルにあわせて、反応してくるパーツが変わってくるのが分かる。ニジマスのパワフルかつ変則的な動きにねっとりと密着している。

 

ヤエンでアオリイカをやった人なら分かるだろうが、ベイトを抱きながら沖に逃走するイカを磯竿で支えている感触に似ている。いやらしいくらいに心地よい。

 

とにかく、今まで使ったロッドの中では、全てがダントツと言っていい。

「必然の3ピース」と呼びたくなる。

 

アングロ 店内 剥製

 

小一時間ほど、店内の写真を撮らせてもらいながら、店主の菅沼さんと話しをした。

 

アングロ 店内

 

ずっと、彼の目が気になっていた。

 

自分を見ているようで、どこか見ていないような感じがする。

話しにはしっかりとした熱を帯びながらも視線の先は自分の頭の後ろあたりを見ている。

 

そのことをぼんやり思い返しながら、ふと気がついた。

この視線のやり方は今まで自分が会ってきたアーチストと言われる人たちと同じだ。と。

ミュージシャンや画家。それもそれぞれの分野で名を馳せるくらいのレベルの。

 

大きなお世話だろうが、アングロにはこれからも真摯に釣りの美学を追い求めていって欲しい。

 

アングラー 水面 影

 

そして、

ネイティブはネイティブでも、情報漬けのデジタルネイティブなどと言われる最近の若者たちが、もしも酒脱したいなら、アングロに行くといいよ。トラウトに遊んでもらうといいよ。と言いたい。

 

そこにはきっと男の子の魂の錬金術があるよ。と。

 

Anglo & COMPANY CUSTOM DESIGN : http://www.anglo.jp/


 

 

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松本 宏人

松本 宏人

投稿者プロフィール

生まれ:1970年
メインターゲット:トラウト
メインフィールド:湖
-メッセージ-
幼少の頃から様々なルアーフィッシングに親しむ。
物をなくすのは、単にだらしないだけではないかとの噂も。
宮崎市在住。

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