New Season & New Answer(ランドロックサクラマスVol.1)

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御池 虹鱒 アンサースプーン

もし、スプーニングを本気でやろうとするのなら、まずは1種類を徹底的に使った方がいい。カラーはたくさんあった方がいいが、重さも変えない方がいい。「名品」と言われるスプーンはそれ自体に十分力はある。結果が出ないのはアングラー側の問題だ。そう捉えた方がいい。

よくこの釣りは難しいと形容されるが、それはきっと「水中でどんな動きをしているのか、どんな動きがよく釣れる(釣れた)のか。」ということが他のルアーに比べてとても分かりづらいことに原因がある。

例えばヘビーシンキングミノーなら、まずは目に見える範囲でトゥイッチやジャークをし、その動きを見、ロッドに伝わる感覚を確かめるだろう。その後キャストをし、同じことをすれば高い確率で出したい動きを再現出来る。もちろんポイントポイントで調整は必要になるが、いずれにせよ、それぞれのアングラーが理想とする動きを演出することはスプーンほど難しくないと思う。

クランクベイトやバイブレーション、スピナーなどは明確な振動がロッドのグリップまで伝わってくるし、ジグもその自重ゆえに離れた距離でもイメージとおりの動きがさせやすい。

ソフトベイト以外の水中系ルアーではやはりスプーンが一番分かりづらく、またそれゆえに奥深いルアーではないだろうか。何せルアーフィッシングはスプーンから始まったのだ。その他のハードルアーはスプーンのエッセンスを抽出して、その内の一部の機能を特化して作られた、という見方もできる。

傍目には何をしているか分からないだろうが、自分はいつも様々な微調整を行いながら釣りをしているし、それで思うような結果が得られたときは、ひそやかだけど、とても深い充足感を得ることができる。

ただ、これも1つのスプーンを使いこなせるようになってこそのことだ。
もっと言うと、ロッドも、リールも、ラインも、フックもできるだけ同じ種類のものを使った方がいい。

スプーニングはとても繊細な釣りだ。ある程度マスターするまでは同じタックルでやらないと何が良くて、何が良くないかということがスポイルされてしまう。

アンサースプーン14g カラー

2月28日、山女魚解禁前日、1通の小包が届いた。差出元は新潟県。愛用しているサトウオリジナル アンサーの新製品が届いたのだ。封を切るとサクラマスが好むというカラーがチョイスされていた。

アンサースプーン

全長は自分が常日頃から湖で愛用する11gと変わらず5cm。

アンサースプーン

重さは14g。11gにはいつもローリングスイベルを付けて使っているが、14gには付けなかった。たったこれだけのことだが、自分にとっては大きなことだ。テストであり、チャレンジだった。仮説を立証するための実験だった。

アンサースプーン

厚さを比べてみるとやはり随分違う。14gは2.5mmあるとのこと。
果たして、どんな動きをするのか、じわりとした期待を感じながら、前日夜には釣り場に向けて車を走らせた。

FILSON ベスト トラウト

途中、友人宅に寄り鑑札を買って、ポイントのそばで車中泊をする。流石に超が付く有名リザーバーだ。深夜1時過ぎなのに、アングラーの車がひっきりなしに往来する。みんなこの日を待ちわびていたのだろう。

そんなことを考えながら、途中買ったウイスキーを軽く吸い込むと、たちまち眠ってしまった。

椎葉ダム トラウト ランドロック

翌朝、目が覚めると5時。まだ周りは真っ暗だった。
ゆっくりとタックルの準備を済ませ、車の外に出る。すぐ近くに駐車しているアングラーにあいさつをすると、この湖のことをよくブログに書いていらっしゃる福岡の方だった。

実は、到着したのが真夜中だったせいか、1年ぶりだったせいか、車を停める場所を間違えていた。エントリーできなくはないが、かなり釣りづらいポイントだった。

困っていると、「良ければ一緒に釣りませんか?」と優しくおっしゃっていただいた。待ちに待った解禁日、この方も遠方から来られていて釣りたいだろうに。

解禁早々、とても爽やかで穏やかな気持ちになった。
しばらくこの方と後数人のアングラーと肩を並べて談笑しながら釣りをした。渓流だとこうはいかない。これも湖のトラウトフィッシングの良いところだ。

しかし、期待に反して、湖はとてもシビアな状況だった。

スプーン ウグイ

カラーチェンジを頻繁に繰り返すと、その都度バイトはある。
ただ、ボトム付近で吸い込むような彼ら特有のアタリ。大きいのから小さいのまで、10匹以上釣れたが、山女魚はかすりもしない。2回くらい「ガツッ!」という疑わしいバイトがあったが、乗らなかった。

椎葉ダム ランドロックサクラマス

昼前になると、冷たい強風とともに雨が叩き付けてくる。
気が付くと、周りのアングラーは皆いなくなり、見える範囲で釣りをしているのは自分一人になっていた。

DRY CREEK Z HIP PACK

この日は最近入手したSIMMSのDRY CREEK Z HIP PACKの初卸しだったが、すごぶる良かった。今まではデジカメや財布、煙草、車のキーなどはモンベルのアクアペルにくるんでベストの背中に入れていたが、出し入れが大変で、かつ濡れないかが心配でかなりのストレスだった。

このヒップパックはベルトが付いていて、腰回りにこれらを収納することができる。そして何より、チャック式なのに完全防水というすごい性能の持ち主でもある。こんな雨の日に持ち物が濡れる心配をしなくてもいいということがどれだけありがたいことか。

完全に閉めると上から手で押しても空気も漏れない。渓流でウェーディングしているときには浮き輪替わりになるほどだという。これは本当にかなりお薦めできるギアだ。

椎葉ダム ランドロックサクラマス

山の天気は変わりやすい。
あんなに荒れていた空は14時くらいには鮮やかな青に変わった。

また、急な天候の変化はチャンスでもある。
残り少ない時間をシャローエリアにかけることにし、集中してキャストを続けた。

椎葉ダム 山女魚 アンサースプーン

そして、15時過ぎ、「カツッ」というわずかな感触があり、「グングン!」と小気味良いファイトで安心させてくれたのは白銀色の陸封山女魚。
35センチ弱と、ここではベイビーサイズだが、何はともあれ、解禁の実感を味わうことが出来た。

そして、直後にほぼ同サイズを1匹。ペアリングなのか、群れだったのかは分からないが、これらがこの日の全てだった。

ヒットルアーはアンサー14g。タフコンディションの中、何となくだが、調子がいい時の感覚を思い出させてくれた出会いだった。

椎葉ダム 山女魚 アンサースプーン

「調子がいい時」というのは、ごくごく単純なことだ。
あまりに当たり前過ぎて、今さら誰も声高に語らないかもしれないが、止水において、スプーンは、ステディリトリーブが一番釣れる、ということだ。

よく、「ただ巻き」という言葉が使われるが、ただ巻くのではない。ステディ(安定して、固定して)にリトリーブするのだ。

椎葉ダム 山女魚 アンサースプーン

以前、「情熱大陸」であの本並幸一さんが車中泊をしながらルアーの動きをモンローウォークに例えたことがあった。手前味噌で恐縮なのだけど、あれは自分も前から感じていたことだった。

ただし、スプーンで魅力的なモンローウォークを演出することは、それ程簡単ではないと思う。
あの歩き方が2倍速だと滑稽(こっけい)だし、半分の速度だと気持ちが悪い。

やはり、ちょうどいいスピードで巻くことが大事だ。
この”ちょうどいい”スピードは使っているタックル、スプーンで差が出てくるだろう。自分が体感していることもあるので、また稿を改めて書きたいと思う。

椎葉ダム 山女魚 アンサースプーン

自分もよく陥りやすいのが、ロッドアクションに頼ってしまうことだ。
ミノーやジグを扱うようにトゥイッチやジャークをすると、オーソドックスな形状のスプーンは大抵泳ぎが破綻してしまう。

マリリンモンローが、モンローウォークの最中、突然横っ跳びに2㍍ジャンプしたり、思い切り転んだりするようなものだと思う。そこまで惹きつけられてきた魚は、びっくりして冷めてしまうだろう。

適切なスピードでスプーンを巻くと、右、左、右、左、とテイルを振りながらアクションをする。そして、時折ふとした拍子にバランスを崩し、アクセント的な動きをする。それだけで実は必要かつ十分なのだと思う。

ステディリトリーブの力を実感するまでは、ロッドアクションを加えるのは最小限にし、その幅も数センチ程度がいいと思う。

アンサースプーン

アンサーは若干アシンメトリーに作られているからかキレイにバランスを崩してくれる。調子がいいときは、泳いでいる姿が実物よりもかなりスリムに見えるくらいだ。

そして、新製品の14gは自分にとっては100点だった。
11gも満足できるものだったが、本当に微妙なのだが、2点だけ修正したいところがあった。

一つは、自分の望むスピードで巻くと、少しだけ泳ぎが派手に感じてしまうところ。
もう一つは、リトリーブ時に、少しだけ浮き上がりが速く感じてしまうところ。

この「少しだけ」が自分にとっては重要だった。そして、それを修正してくれたのがローリングスイベルだった。

しかし、予想したとおり、14gにスイベルはいらなかった。中層からボトムをなまめかしくトレースするのにぴったりだ。

アンサースプーン

湖では、11gを使用しているときにフリーフォールでカウントダウン20秒以内にをシャロー、35秒くらいまでが中層、それ以上をディープと捉えて釣りをしている。

ところが、今までは11gだけで1日通すことが多く、レンジを刻むゲームが苦手だった。
なぜなら、スイベルを付けることはボトム付近を探るためのチューニングだったからだ。

14gがある以上、もう、11gに付けていたスイベルは必要ない。

そして、これからはアンサー本体の動きを活かしながら、11gは表層から中層用に、14gを中層からディープ用にと、よりレンジを意識したゲームを展開していくつもりだ。

 

きっと、この新しいシーズンにまた新しい答えが見つかると思う。

 

 

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松本 宏人

松本 宏人

投稿者プロフィール

生まれ:1970年
メインターゲット:トラウト
メインフィールド:湖
-メッセージ-
幼少の頃から様々なルアーフィッシングに親しむ。
物をなくすのは、単にだらしないだけではないかとの噂も。
宮崎市在住。

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