deep blue

久しくコラムを書いていないが
今日はこの気持ちを残そうと決めたから
筆をとった

私が彼のイメージを例えるならば
まさにこの色 「紺」
それも限りなく濃い 紺色
indigo 蒼にある紺色ではなく
限りなく深い紺色 である

彼の事は共通の友人を通して 幾らか話は聞いていた 歳は私と同い年
会う前から 尖る強烈な印象をひしひしと感じていた

私は司馬遼太郎の作品が好きで 特に好む登場人物が「高杉晋作」である
儚く 粋 に自分の思い描く生き様を その通りに演出し なぜか「高杉がいる」というだけで 周りは奮起し 彼の思うがままに 世を踊る事ができるのだ
私は ただ釣りが上手い とか センスがある とかに関してあまり興味がない
その人が放つ強烈な存在感に魅了される
そしてそれは直接会うことがなくても 言葉や画や音などで私の心に強烈に響いてくる

彼は今 あるsnsで自分が思う世界を発信し続けているが 独特な世界観で案の定 いつも私も一杯喰わされ続けている
そんな高杉は周りに対するリスペクト・謙遜を込めて俗にいう「真似」をしてsnsで釣りを表現する時がある

彼は「音」に対しても強烈でプライドを持っている
私のわかる範囲で表現するとすれば
よく海外のアーティストがリスペクトする楽曲をカバーして表現する それは原曲である反面 そのアーティストの作品であり続けるのだ
そんなイメージで彼がリスペクトカバーする釣りをいつも楽しみにチェックさせてもらっている

彼がリスペクトでカバーする釣りは 元の釣り師を完全にハイブリッドさせた高杉自身の完全体で作品なのだ

私は釣りも人も「縁」で繋がるものとして考えている
共通の友人から話を聴く度に
彼にはいつか会う時が来るだろう 焦る事はない そのいつか”縁”のタイミングを待とう
と考えていた

昨年 一度 短時間だが地元別府の漁港で会うこととなった
やはり私の想像通りの司馬遼太郎に出てくる「高杉晋作」だった
儚く尖り 紺色の炎を灯し続ける彼の姿があった

嬉しく思い ふと 高杉がトラウトをやった時 どのような感じなのだろう?
そう思っていると満更でもなく 高杉もトラウトが気になっていたらしい
あれよあれよと鱒釣りを同釣する事となった
ただそこは高杉らしいのが セオリー通り有名大場所ではなく 私が普段通う近場の沢に連れて行けという

もうご存知の方もいるとは思うが 私は「あの頃の里山探し」という活動で 地元の源流や藪沢にいる原種トラウトの存在を夢みて追い続けている
トラウト初日で まず行かないであろう工場裏の水路に高杉を誘った

その時の高杉は
カウンターハンドルのノーマルの2500cにフジグリップに自作のブランク
ナイロンラインでルアーはオールドラパラのプラグ
甘くない その時は案の定釣りになってなかった

私もその時は高杉を気遣いオブラートに包んで接したが
高杉はそこで 私の釣りを見せろという
これは私の憶測いや断定だが 高杉はその場所の空気や私の気を感じて すでに頭の中で高杉が表現する「原種のエノハ釣り」が出来ていたと思う
案の定その数日後 高杉から原種のエノハを捉えた画像が送られてきた

私はそれを見た時 ただただ痛快だった
それはイギリスのキューパー司令官との談判に臨んだ高杉が終始傲然とした姿勢を崩さず、「魔王」と呼ばれたその通りの表現ではないか
それはかけがいのない彼の作品でありアートだと思う

そこでふと思い出したのは
最近tailの魚紳さんと話したとき
何かしらの物作りをする人・表現者アーティストは己の魂を削り表現をする
しかしそれは心身に物凄い負荷がかかり 表現者は己の命を削りながら 作品を仕上げ世に届けている という話

大袈裟かもしれないが 私は彼の表現する 紺色に光り続ける世界が大好きだ

これからも彼の釣りから目が離せない

 

モゲノ智則

モゲノ智則

投稿者プロフィール

生まれ:1978年
メインターゲット:トラウト シーバス 雷魚
メインフィールド:渓流 大小河川
-メッセージ-
何をするにもSteve McQueenならこうするであろうと妄想しながらアウトドアを愉しむスタイルです。別府市在住。

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