- Home
- Collaboration, Spoon, 釣行
- 一本との出逢い
一本との出逢い
- 2014/3/20
- Collaboration, Spoon, 釣行
まずは私が四季を問わず足繁く通うフィールドをご紹介しておこう。
メーターにも迫ろうかというモンスターブラウンが狙えることで知られる北海道の『支笏湖』がそれである。
周囲約40km、最大水深363mと途方もなく広く深い湖を相手に一本の杭となり、時には幾つもの岬を越え、足が棒になるほど歩いて納得の一本を追い求める。日本最北の不凍湖でもあり極寒の北海道で通年釣りを楽しめる数少ないフィールドの一つだ。
私はこの湖でもスプーンを結ぶことが多い。なかでも操る面白さというものをより感じることのできるスプーンを好んで使用する。その一つがシーレーベルのProviaだ。
まだレイクショアジギングという言葉を耳にすることすらなかった当時、私はジグの遠投でボトムに着くブラウンを狙ってひたすらジャーク&フォールを繰り返し、それなりに釣果もあげていた。経験上5回以内のジャークでヒットしなければ根掛かりのリスク回避の為にも早めに回収していたのだが、それがなんとも非効率的に思えてならなかった。そんな時に出逢えたジグスプーンだ。
Proviaはその独特な形状ゆえフォールに特徴がある。リトリーブを止めるとクルクルと回転して左右にスライドしながらゆっくりとフォールするのである。これなら今まで探りきれなかったボトムからカケアガリを舐めるようにトレース出来るだろうと直感的に思った。
そして、そんな思いはすぐに結果となって現れる。 10gのProviaを咥えたのは70オーバーのブラウン。
私は釣りに「〜だろう」ではなく「〜かもしれない」という言葉を当てはめる。自動車免許をお持ちの方ならお判りだろうが「かもしれない運転を心がけましょう」のあれと同じである。
「あんな浅い場所にはいないだろう」じゃなく「あんな浅い場所でもいるかもしれない」とか「一度バレたけどもう一度出るかもしれない」とかね。
肌寒さを感じるようになった秋口のある日、ロッドティップが届きそうな距離にニジマスのクルージングライズを見つけた。
手持ちのトップルアーを投入してみるが見向きもしない。シェイキングで波紋を出してみても、ルートを先読みして鼻っ面に落としてみてもダメだった。ミッジサイズの虫を啄ばんでいるのでルアーでは太刀打ちできないだろう。
本来ならここで諦めるのだが、試しにProvia7gで水面直下をデッドスローに引いてみた。するとまさかの一発ヒット これには本当に驚かされた。
のちに縁あってシーレーベルのプロスタッフとして製品開発のお手伝いをさせて頂ける事となったのだが、Proviaとの出逢いが私の釣りのスタイルや人生まで変えた言っても過言ではないだろう。
皆さんにも是非ともそんな一本を見つけてもらいたい。